こどもたちの学校文集にも働き方改革⁉
先日のPTA執行部会でのこと。
先生より、学校文集の制作について従来の子どもの手書き転写スタイルから、ワープロ打ちに変更させて頂きたい!と提案がありました。
私も通ったこの学校は50年以上前から年度末になると学校文集を制作してきました。
学校での思い出や自分の夢など、何度も間違えながら原稿用紙に書き、清書したものがそのまま文集として製本化され出来上がります。
そういった中、現代の働き方改革として教員の時間外労働の短縮を目指してご提案されました。
様々な検討案の中から、学校文集制作に関わる業務が非常に効率が悪く多くの時間を割いていることから今回の判断に至ったようなので、制作に関わる手順などを確認していきました。
通常の学校業務以外に、おおよそ倍の時間を費やしている事。
子どもたちの文章の間違いを手直しするのに相当神経を尖らしている事。
輪転機にて印刷する際、ページレイアウトをするのに苦慮すること、などなど、
多くの時間や作業が費やされていることが分かりました。
先生の言っていることは間違いがないと思います。
本当に大変な作業です。
でも、ふと思い聞いてみました。
なんでそんなに修正や加筆に時間を費やす必要があるのですか、と。
私は普段から、子どもには多くの経験と多くの失敗をしてほしいと考えています。
そのために、PTA事業としてそういう機会を極力沢山作るよう組立てています。
子どもが原稿用紙に書いたそのままの文章を載せてはいけないのでしょうか。
整った文章でないと公開したらいけないのでしょうか。
字がキレイとか汚いとか、比較されないようにしないといけないのでしょうか。
発行に際して、先生がそこまで気を使う必要があるのか。
仕事に置き換えたとき。
企画提案やプレゼンを行うときに、かっこいいまたはきれいなパワーポイントが必要、タブレットも一緒に使用して動画や音楽も流す。
おしゃれなグラフやプロトタイプも準備して、見る人聞く人に感動を与えたい!
そのために何時間もかけてプロモーションの準備をする。
何となくこれと同じではないかと感じました。
本質はどこなのか。
先日、少年非行の現状について警察の方の講演を聴講しました。
事例が生々しい事もあり、あえてパワーポイントや資料は一切なく、レジュメのみで2時間お話をされました。
本当にスッと入ってきて、対面する力、話しかける力を実感しました。
手書きで書いた文章とワープロ入力された文字では、全くをもって本(文集)の価値が変わってくると思います。
結局、話は平行線になりましたが手書き転写スタイルだともう発行に間に合わないとの事。
先生の働き方改革を否定するつもりもありませんし、大変な作業であることから、ワープロ入力方式を導入する文書を全家庭に配布することを条件として、実施してもらうこととしました。
更に聞くと、ワープロ入力でも最初は手書きで原稿用紙に書いてもらうとの事。。
いつから、子どもも大人も完璧にしないといけなくなったのだろう。
いつから失敗をしてはいけないと決めてしまったのだろう。
いつから子どもたちはこんな高い金網に囲まれることにになったのだろう。
いつから先生は先生という鎧をかぶらなくいけなくなったのだろう。
来年度はどのような制作になるか分かりません。
もし保護者の同意を得られるなら、全ページ1回きりの清書のみの文集ができたらどんなに人間味あふれた作品になるのだろうと思います。