私は言わない!「PDCA」
PTAやまちづくり活動など、非営利活動を進める手法とは!?
これまで活動をされた方は分かると思いますが、
率先して活動をされない方たちからは、
私たちには関係ない
やりたい人(やれる人)がやればいい
ベテランが趣味でやっている事
若い者が勝手にやっている事
などなど
活動する本人たちだけで楽しんでいるように見られたり、
新しい事や変わったことをしようとすると、飛び火が飛んでくるのではと苦言を言われたり、
そうすると悩んだりくじけそうになったりと、
とーーーーーっっっても大変です。。
前回、 活動をする上で大切なことは
「エンターテインメント」
と書きました。
でも、いくら楽しい企画や事業を進めても、作り込み方によっては負担と感じる人はいます。
ではどんな活動の進め方がいいのでしょうか。
よく耳にする「PDCA」とは
よく他の方のご講演とかお話を聞くと、事業の計画から成功に向けて
「PDCAサイクル」をしっかり回しましょう!
と仰られますよね。
PDCDは、以下のそれぞれの頭文字です。
【Plan】計画 → 【Do】実行 → 【Check】チェック → 【Action】改善
モノづくりや製造の大手企業にいる人は「いまさらか」と思っている人もいると思いますが、もう20年ぐらい前から生産管理や品質管理の改善手法として多くの企業が取組んできた手法です。
私もその一人です。
ですが、私が今活動を進めようとするとき、
「PDCAサイクルを回してブラッシュアップしていきましょう!」
とは言いません。
講師の方を否定するわけではありませんし、間違ってはいないと思いますが、
私は言いません。
と言うか、PTAやまちづくり活動のボランティア要素が強い非営利活動において、PDCAは適合しないと思っています。
なぜなら、このような非営利活動は
「子どもたちのいまの学習環境をこのように改善したい!」とか
「活力ある街を取り戻すためこんな活性化事業を進めたい!」など、
少なからず夢や理想が目標に盛り込まれます。
そうなるとどうなるか。。
必然と目標が高くなりすぎます。
【PLan:目標】の不適合
(例)「将来、子どもたちがグローバル社会で活躍するよう、早い段階から外国語活動を推進しよう!そのためには、ALTの先生の充実やICTを活用し留学を支援して国際交流を深めよう」
(例)「衰退するまちを活性化するため、クリエイターと連携して空き家リノベーションして活動拠点を作ろう!そして、観光スポットやイベントを充実して観光客を今の「〇〇人」から「〇〇〇人」に増やそう!」
もう、半分「夢」物語が入っていますよね。
「将来、子どもたちがグローバル社会で活躍するよう、早い段階から外国語活動を推進しよう!そのためには、ALTの先生の充実やICTを活用し留学を支援して国際交流を深めよう」
→ 本当にグローバル社会が来るのでしょうか。その前にAIで解決しそう。
本当に子どもたちはそれを望んでいるのだろうか。
ALTの先生やICTを充実する資源はどこから捻出するのか。
留学することで語学は上達するが、その子は将来日本で働かないかも。
など
「衰退するまちを活性化するため、クリエイターと連携して空き家リノベーションして活動拠点を作ろう!そして、観光スポットやイベントを充実して観光客を今の「〇〇人」から「〇〇〇人」に増やそう!」
→ 地域住民がそれを本当に望んでいるのか。
リノベーションしたいクリエイターがその地を選ぶのか。
資金源と維持費は継続的に調達できるのか。
観光スポットやイベントを0から作り上げて、本当に観光客が来るのか。
など
これは(例)ですが、事業計画を立てるときに、どうしても希望や理想が入るので、現実的に考えても無茶なことが盛り込まれてきます。
思いは分かりますし(私もそうでした…。)、熱意は充分伝わるのですが、現実的ではないですよね。
【Do:実行】の不適合
実行したところで、このような活動では想定外な状況の変化や予期せぬトラブルはつきものです。
人においては、転勤や転校、病気や家族の事情など
その他、学校や地域組織の状況変化、ご近所トラブルや権利問題など
なので、プラン通りにいくことはなかなか難しいです。
更には、まちづくり活動などではこれまでの伝統や流れがあります。
そういった事情にも注意をしなければいけないため、活動のスピードはどんどん落ちてきます。
蓋を開けたら実は昔から同じようなことをしていた!とか。
【Check:評価】の不適合
このチェックが実は問題です。
目標が高いが故に、活動がどんどんチェックのための活動にすり替わってきます。
また、それがすり替わっていることに気づかない状況に陥ります。
チェックがチェックでなくなる。
チェック=評価 なので、目標が高いと進捗状況が悪くなります。
ですが夢物語の目標に、自分たちでは悔しくて低い評価は絶対に付けれなくなります。
そうなると、一時的にでもチェックを通過するような活動になったり、本来目指している活動や事業運営から外れ、自分たちの達成感だけの活動になってきます。
こうなると、もう目標がチェックを通過する為だけの活動にすり替わってしまっています。
また、周りの人から見ても、何がしたいのかわからなく見えてきます。
人間誰もが評価されることにはあまり慣れていません。
特に自分で自分を評価する事にはなおさらです。
では、遡って目標を低く設定すれば!と思いますが、
そうするとそんなことはもうやっているとか、
それでは何も変わらないとか、
また雑音が入ってきたり、モチベーションが上がらなかったりしますね。
【Action:改善】の不適合
こうなると、もう改善のところまで来るのに、心も折れてモチベーションもだだ下がりになってます。。
アクションしようという気が、周りの人を含めて薄れてきています。
それでも下手にアクションを起こすと、負担感が増えたり、充分な改善策になっていなく、更に疲弊感が増します。
仮に、何とか「PDC」までうまくやってこれても、「A」には自分自身以外も含めた多くの期待が注がれます。
それで思っていたように改善結果が出なかったりすると、これまでやってきたことに疑問を感じたりしてしまします。
ちょっとネガティブなことばかり書きましたが、実際に私も実感したことです。
私がPTAやまちづくり活動などを進める手法は?
では(やっと)、本題に戻します!
私たちの団体で重要視している進め方は、
「OODA」です!
更に、この「OODA」に「何よりも楽しく!」をキーワードとして盛り込みます。
O:Observe (観察)
O:Orient (状況判断、方向づけ)
D:Decide (意思決定)
A:Act (行動)
O:Observe (観察)
目標や目指す姿に対して予算や体制、現場や実行力など、想定していた物と乖離がないかしっかりと観察します!何よりも観察に多くの時間をあてます。
その観察には、柔軟な思考で様々なことを想定づけてみる臨機応変さも入れています。
O:Orient (状況判断、方向づけ)
過去の事例など照らし合わせたり、実態と黒幕の擦り合わせにより調整や修正の上、判断します。観察した内容も含め、情報収集や聞き取り、意見交換、状況整理を行います。
ここのポイント! この時に「何よりも楽しく!」のキーワードを入れて判断するように心がけています。
D:Decide (意思決定)
方向付けした提案と、事実関係、実現性を見定め、具体策を決定します。
「OO」で得た情報と、キーワードを重ね合わせて負荷の少ないもの、実現性の高いものを策定していきます。
A:Act (行動)
ここで動きます!「PDCA」の「A」との違いは、「実行」ではなく「行動」です。
これまでの判断と意思決定から、実現性が高いものから優先的に動いてみます。
例えば、「この人を仲間として誘おう」とか「これを実現する為に助成金を申請しよう」など
これを繰り返します!
ただただ、細かくやっているだけなのでは?
と思われがちですが、
「何のために動くか」が、
より現実的かつリアルタイムで確認しながら進むため、状況変化や想定外の変化にも臨機応変に対応できます。
目標が見えてこないとのご意見もありますが、
目標としては年間で事業計画を立てるので、その根幹はブレないはずです。
それでも大事なのは、
「何よりも楽しく!」
です!